「モスクワ滞在」体験記 (by 菜保)
初めてモスクワに行ったのは2012年の夏,2週間ほどレギュラークラスに
参加し,練習に衝撃を受けました。2013年の夏から秋(日本人の私には9月
下旬からもう冬に感じました)までインターナショナルセミナーを含め2ヶ月半
ほど滞在しました。
モスクワのジムでは,システマを学びたい全ての人にとって居場所があります。
言葉の分からない外国人でも温かく迎えてもらい,システマの奥深さを感じられ
ます。各インストラクターの個性が強烈でそれぞれ違う形でトレーニングする,
でもその中で「システマ」といえるものをもっている,2回目の滞在でそれが何か
知りたいと思いました。
インストラクターも練習生も「システマ」をやろうとする態度が徹底しています。
初めて行ったとき,どうしていいか分からなかったワークが,2回目に行ったときに
は何を求められているか分かるようになり「少し成長できた」と思うのです。が,
少しでも力んだり無理な動きをするとパートナーからNO!を言われるのは同じ。ジム
に通っている人と一緒に練習していると,私を大きく動かしても「今の自分の動きは
違っていた」と首を横に振り,私のほんのちょっとのいい動きに対して「それだ!」
と喜んでくれます。
同じ練習時間でも,自分が本当に「システマ」をしている時間がどれだけあるか,
質の違いを痛感します。それを感じて練習していかないと,ミカエルに「日本のシス
テマが10年遅れている」と言われたことが,数年後には何十年分もの差になっている
のではないか,それどころか何年練習してもシステマを始めてもいないのと同じにな
ってしまうのではないかと思っています。
ミカエルの近くにいられるというのは,貴重な経験でした。セミナーで大勢の参加
者一人一人がミカエルと繋がっている感じ,雑談を含め色々な話が聞けたこと,鞭で
軽くたたいてもらって一気に爪先まで血が巡り私が喜ぶと「特別なことじゃない。こ
れがドクターだ」とニコニコ鞭の先を指していたこと,たくさんの動きがその場で見
られたこと,ミカエルに体をねじられたりたたかれたりした人達の変化が伝わってく
ること,そしてそれを見ている人達の表情の変化。
昨年の2ヶ月半の滞在,時間とお金をかけ楽しんで練習すれば「何かは得られるだ
ろう」と期待していました。その通り時間とお金はなくなり,でも,「何かを得る」
ことはありませんでした。ただ,滞在が終わったとき,自分の中にずっとあった疑問
の答えが見つかり,そのことが本当に嬉しかった。
少しでも「いってみようかな」と思っている方,ぜひモスクワに行かれることを
お勧めします。
※ 以前システマジャパンのHPに掲載されていた菜保インストラクター
「トレーニングツアーtoロシア2014」の勧誘文みたいなものです.
モスクワでのトレーニング風景がありありと伝わってくる感じが
しますので,こちらのブログにもアップしました.